川端康成学会 第181回例会
日時 4月17日(土)14:00より
場所 鶴見大学1号館 501教室
*研究発表
「運命と時間―「抒情歌」―」
慶應義塾大学非常勤講師 青木 言葉
「エドワード・サイデンステッカーの日記に見る川端康成像」
早稲田大学大学院 国際コミュニケーション研究科博士課程 早川 友実子
*閉会の辞 川端康成学会会長 片山 倫太郎
司会 内田 裕 太
*令和3年度総会 事業報告・会計決算報告・事業計画案・会計予算案
*新型コロナウイルス感染症の影響により、会場校での開催に加え、オンラインでも開催いたします。 オンラインで参加される方は、各自で参加できる環境を整えておいてください。
URL、ID、パスワードは後日配信いたしますので、連絡可能なメールアドレスを事務局長・
杵渕由香(kawabatagakkai@gmail.com)までお知らせください。
*当日受付にて、参加費500円を頂きます。ご了承ください。
*当日受付にて、年会費の納入をお受けします。併せて、維持会費もよろしくお願いいたします。
*今後の例大会の開催予定をお知らせいたします。第47回大会は7月4日(日)、第182回例会は8月、第183回例会は12月を予定しております。日程は変更になる場合もございますので、ご了承ください。なお、例会での研究発表希望者を随時募集しております。ご希望の方は事務局長・杵渕由香(kawabatagakkai@gmail.com)までご一報いただけましたら幸いです。
*会員の皆様には「年報」33号(2018年)までのバックナンバーを送料込み1部500円で販売致します。最新号と前号は会員価格2,000円で販売致します。なお、在庫切れの号もありますので、詳細は事務局長・杵渕由香(kawabatagakkai@gmail.com)まで、お問い合わせ下さい。
*例会についてのお問い合わせは下記にお願いいたします。
川端康成学会事務局
〒230-8501
横浜市鶴見区鶴見2-1-3 鶴見大学6号館 鶴見大学文学部
片山倫太郎研究室
メール:kawabatagakkai@gmail.com
【発表要旨】
*青木言葉(慶應義塾大学非常勤講師)
「運命と時間―「抒情歌」―」
「抒情歌」冒頭の言葉、「植物の運命と人間の運命との似通ひを感ずることが、すべての抒情詩の久遠の題目である」。これはO.シュペングラー『西洋の没落』を踏まえているが、その要約・解説を兼ねた『シペングレルの哲学』(アウグスト・メッセル)を典拠と想定し、対応箇所の指摘にとどまらず「抒情歌」の構成に関わる意味合いを見出すのが本発表の目的である。
シュペングラーによれば〈運命〉のたどる生成―全盛―衰退の過程は、形式でも因果でもない。「運命とか、摂理とか、天命とかいふ言葉は、遁れる道なき生活の必然性を記すものである。実際の歴史は、運命の重みを持つてゐるが、然も法則からは自由になつてゐる。未来は予感される事が出来る、さうして未来の秘密の中に深く浸透する瞥見がある。然し乍ら未来は計算され得ない」。すなわち、ここで植物の運命になぞらえられるのは、文化―文明ではなく主人公龍枝の運命、その魂の力、それと軸を一にする〈あなた〉との愛である。運命とは時間であり、戻らぬゆえに悲劇的である。
*早川友実子(早稲田大学大学院 国際コミュニケーション研究科博士課程)
「エドワード・サイデンステッカーの日記に見る川端康成像」
エドワード・サイデンステッカー(1927-2007)は日本文学の代表的な英訳者として知られているが、研究業績について触れられる機会は少ない。
サイデンステッカーは戦後の英語圏の読者に谷崎潤一郎や川端康成を紹介した点で高く評価されているものの、彼が谷崎・川端を好んで翻訳した理由や、反対に志賀直哉を翻訳しなかった理由など、サイデンステッカーの日本文学観については検証が進められぬまま「日本文学を世界に紹介」側面だけが大きくクローズアップされやすい状態である。
本発表では、日本語と英語で出版された資料、およびサイデンステッカーの日記を参考に、サイデンステッカーが川端康成をどのように高く評価していたのかを分析する。「サイデンステッカーが川端作品のどのような点を「日本らしい」と捉え、1950年代から1960年代の長きに渡り翻訳し続けたのかを再考することで、従来の「日本文学は世界に評価されている」という表現の内実の再考を試みる。
【会場】鶴見大学1号館 501教室(〒230-8501 神奈川県横浜市鶴見区鶴見2―1-3)
【アクセス】JR京浜東北線 鶴見駅西口下車徒歩5分、京浜急行 京急鶴見駅下車徒歩7分
PDF版例会案内↓
http://kawabatayasunari-academy.org/wp/wp-content/uploads/2021/03/川端康成学会-第181回例会-1.pdf