第177回例会のご案内

川端康成学会 第177回例会

日時 4月20日(土)14:00より

場所 鶴見大学1号館501教室

 

*研究発表

・「川端康成「人造人間讃」論」

奈良教育大学大学院教育学研究科修士課程  橘川 智哉

・「「私」の振幅、弓子の潜伏 ―「浅草紅団」に見る川端文学の間テクスト性―」

東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士後期課程 平井 裕香

 

*閉会の辞

                                               川端康成学会会長   片山 倫太郎

                                                                                              司会                  姜 惠彬

 

*平成31年度総会 事業報告・会計決算報告・事業計画案・会計予算案


当日、研究発表終了後、平成31年度総会を開催いたします

*当日受付にて、参加費500円を頂きます。ご了承ください。

*当日受付にて、年会費の納入をお受けします。併せて、維持会費もよろしくお願いいたします。

例会終了後、懇親会を予定しております。奮ってご参加ください。

*当日、12時より1号館506教室にて理事会総会(理事会と合同)を開催いたします。常任理事・特任理事の皆様はお集まりください。

*今後の例大会の開催予定日をお知らせいたします。第178回例会は6月29日、第46回大会は8月24日・25日(文学散歩)、第179回例会は12月14日を予定しています。上記の日程は変更になる場合もございますので、ご了承ください。46回大会は、8月に鹿児島での開催を予定しております。そのため、6月は例会となります。46回大会の詳細につきましては後日ご案内をお送りいたします

なお、例会での研究発表希望者を随時募集しております。ご希望の方は事務局長・堀内京(kawabata.y.ac.1970@gmail.com)までご一報いただけましたら幸いです。

*会員の皆様には「年報」31号(2016年)までのバックナンバーを送料込み1部500円で販売致します。最新号と前号は会員価格2,000円で販売致します。なお、在庫切れの号もありますので、詳細は事務局長・堀内京(kawabata.y.ac.1970@gmail.com)まで、お問い合わせ下さい。

 

*例会についてのお問い合わせは下記にお願いいたします。

〒422-8529 静岡市駿河区大谷836 静岡大学人文社会科学部言語文化学科 田村充正研究室

電話:090-6180-3670 メール: kawabata.y.ac.1970@gmail.com


【発表要旨】

*橘川智哉(奈良教育大学大学院教育学研究科修士課程)

「川端康成「人造人間讃」論」

「人造人間讃」は、『新潮』(昭四・八)「人造人間幻想」の特集の巻頭に発表された。本作について川端は「人造人間」についての「課題作文のやうな短文」であったと述べるが、一方でその射程には「科学小説」ジャンルへの試みがあったことが窺える。「科学程に創造的な詩を豊かに含んでゐるものはない」と捉える川端の「科学小説」がどのような文学の可能性に開かれていたのか。「人造人間幻想」に掲載された他の作品や論考、川端が「文芸時評」などで評した芥川龍之介や佐藤春夫、直木三十五などの作品に触れながら、川端の問題意識を確認する。そのうえで「科学小説」としての「人造人間讃」テクストを読み解いていく。「妖花アラウネ」と「哀れな詩人」である「私」との対話における「科学」をめぐる言説と、同時代の「科学小説」のジャンル・イメージとの接続を明らかにしていきたい。

 

*平井裕香(東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士後期課程)

「「私」の振幅、弓子の潜伏 ―「浅草紅団」に見る川端文学の間テクスト性―」

「浅草紅団」、またはそこに集約されている初期の表現方法は、川端文学全体の中で例外的なものとして扱われてきた感がある。しかし、「浅草紅団」は「雪国」や「千羽鶴」といった後年の代表作と、それほど隔絶しているだろうか。むしろ「浅草紅団」は、作中人物としての「私」と作者あるいは語り手としての「私」の距離が時々で変動する点に注目すれば、1920年代の短編で用いた戦略を、中・長編に必要となる物語的展開との不断の緊張関係において、編成し直した作品と言える。以上の前提のもと、前半部分の発表(『東京朝日新聞』夕刊、1929年12月12日〜1930年2月26日)の後、同名の映画(1930年9月5日封切り)で死んだ弓子が、後半(「浅草赤帯会」として『新潮』1930年9月号および「浅草紅団」として『改造』同年同月号に掲載)で物語から退き、最後に再び現れることを、各部が相互に解釈を重層化させ合うという、川端の小説に通底する構造の表れと位置づけたい。


【会  場】鶴見大学1号館501教室(〒230-8501 横浜市鶴見区鶴見2-1-3)

【アクセス】JR京浜東北線 鶴見駅西口下車徒歩5分、京浜急行 京急鶴見駅下車徒歩7分

*1号館は、総持寺参道の左手です。参道正面より入っていただくとわかりやすいと思います。

 

PDF版の例会案内です↓

第177回例会案内

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