第175回例会のご案内です。

川端康成学会 第 175 回例会

日時 8月 25 日(土)14:00 より  場所 昭和女子大学 8 号館西棟 4階 4S42

*研究発表
「川端康成「たんぽぽ」序論 ―〈欠視〉のエクスタシー ―」

明治大学大学院 博士後期課程  内田 裕 太

 

「新資料『生徒の肩に柩をのせて』に描かれた恩師倉崎仁一郎」

茨城大学准教授   宮﨑 尚 子

 

*閉会の辞 川端康成学会会長  片山 倫太郎

司会  姜 惠 彬


*当日受付にて、参加費500 円を頂きます。ご了承ください。 *当日受付にて、年会費の納入をお受けします。併せて、維持会費もよろしくお願いいたします。 *例会終了後、懇親会を予定しております。奮ってご参加ください。 *当日、11 時より8号館西棟 4T43(現代メディア社会調査室)にて理事会を開催いたします。常任理 事の皆様はお集まりください。 *今後の例大会の開催予定日をお知らせいたします。第176 回例会は12 月22 日(土)を予定しており ます。(前回のお知らせから日にちが変更になりました。)ご了承くださいますようお願い申し上げま す。 なお、例会での研究発表希望者を随時募集しております。ご希望の方は事務局長・堀内京 (kawabata.y.ac.1970@gmail.com)までご一報いただけましたら幸いです。

*会員の皆様には「年報」31 号(2016年)までのバックナンバーを送料込み1部500円で販売致しま す。最新号と前号は会員価格2,000円で販売致します。なお、在庫切れの号もありますので、詳細は 事務局長・堀内京(kawabata.y.ac.1970@gmail.com)まで、お問い合わせ下さい。

*例会についてのお問い合わせは下記にお願いいたします。 〒422-8529 静岡市駿河区大谷836 静岡大学人文社会科学部言語文化学科 田村充正研究室 電話:090-6180-3670 メール: kawabata.y.ac.1970@gmail.com

 


【発表要旨】

*内田裕太(明治大学大学院 博士後期課程)   「川端康成「たんぽぽ」序論 ―〈欠視〉のエクスタシー ―」 「微妙に入りまじり、からみ合ういわば二重性の象徴の網の目は、この小説全体にくまなく張りめぐらされている」、 「そして対照は、たんに対照には終らず、むしろ新しい別の和音を生み出して、途切れることなく遠く遥かな余響をつ たえるのである」という佐伯彰一(「解説」、『たんぽぽ』新潮社、昭47・9)の言葉は、現在に至るまで数多書き継が れることとなる「たんぽぽ」論の嚆矢であるとともに、その作品構造の特質をきわめて明晰に示していると言えるだろ う。本発表では、川端最後の未完の長篇にして、金字塔とも言うべき「たんぽぽ」を考察する緒として、先の〈二重性〉 というフレームを手がかりに、稲子が患う〈人体欠視症〉とそれにまつわる性愛のありようを検討することを通じて、 その作品世界の奥行きを探りたいと考えている。

*宮﨑尚子(茨城大学准教授) 「新資料『生徒の肩に柩をのせて』に描かれた恩師倉崎仁一郎」 川端康成は大阪府立茨木中学校五年生だった時に「生徒の肩に柩をのせて」(「団欒」大正六年三月)を書いて 注目される。この作文は雑誌「団欒」に掲載され、その後書かれた二つの作品「倉木先生の葬式」(「キング」昭 和二年三月)と「師の棺を肩に」(「東光少年」昭和二十四年六月)の元になっている。長らく所在不明であった のを発表者が平成二十三年に発見した。作品の舞台である茨木中学校史料等を調査した結果、恩師「倉崎仁一郎」 の存在が浮かび上がってきた。今回の発表ではこの三作品を比較して倉崎仁一郎とその遺族の描かれ方を検証す る。特に「倉木先生の葬式」にだけ孤児の設定がある点に注目し、実際の倉崎家を目の当たりにした川端が「孤 児」を客観的に意識した事を中心に指摘していく。また倉崎家の娘たち(静・道・敏)への淡い片恋や、満州紀 行等との意外な関係についても触れる。(本研究は科学研究費助成事業・基盤研究(C)の中間発表である)

【会  場】昭和女子大学8号館西棟 4 階4S42(〒154-8533 世田谷区太子堂1-7-57)  【アクセス】 *地下鉄:東急田園都市線(半蔵門線直通)「三軒茶屋」駅下車徒歩 7分 *バス:●渋谷駅から下記方面行きを利用し、「昭和女子大」下車(上町・等々力・田園調布・弦巻営 業所・二子玉川・高津営業所・成城学園・祖師谷大蔵・狛江・調布)●目黒駅・祐天寺駅から三軒茶屋 行きを利用し、「三軒茶屋」下車●下北沢駅から駒沢陸橋行きを利用し、「三軒茶屋」下車

 

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