第170回例会につきましてご案内申し上げます。
川端康成学会 第170回例会
日時 12月17日(土)14:00より
場所 鶴見大学 1号館4階401教室
研究発表
*「川端康成の代筆問題研究」
同志社大学文化情報学研究科 孫 昊(共同研究者 金 明哲)
*「「禽獣」の隠喩性と『荘子』」
国際日本文化研究センター外国人研究員 北京語言大学教授 周 閲
*閉会の辞 川端康成学会会長 林 武志
*当日、12時30分より1号館4階405教室にて理事会を開催いたします。常任理事の皆様はお集まりください。
*当日受付にて、参加費500円を頂きます。ご了承ください。
*当日受付にて、年会費の納入をお受けします。併せて、維持会費もよろしくお願いいたします。
*例会終了後、懇親会を予定しております。奮ってご参加ください。
*今後の例大会の開催予定日の詳細は未定ですが、第171回例会は4月を予定しております。
上記の日程は変更になる場合もございますので、ご了承ください。
なお、例会での研究発表希望者を随時募集しております。ご希望の方は事務局長・佐藤翔哉(shoyasato.kawaアットgmail.com)までご一報いただけましたら幸いです。
*会員の皆様には「年報」29号(2014年)までのバックナンバーを送料込み1部500円で販売致します。最新号と前号は会員価格2,000円で販売致します。なお、在庫切れの号もありますので、詳細は事務局長・佐藤翔哉(shoyasato.kawaアットgmail.com)まで、お問い合わせ下さい。
*例会についてのお問い合わせは下記にお願いいたします。
〒248-0005 神奈川県鎌倉市雪ノ下3丁目8-33 銀の鈴社内
電話:0467-61-1930 FAX:0467-61-1931
【発表要旨】
*孫 昊(同志社大学文化情報学研究科)、金 明哲(共同研究者)
「川端康成の代筆問題研究」
川端康成は「新人発掘の名人」と称され、当時経済的に窮困していた弟子たちに自分の名前を貸したことが逸話として残っている。このようなことから生まれた川端康成の代筆疑惑は議論になって久しい。川端康成の代筆疑惑は大きく少女小説1960年頃の睡眠薬中毒時期に発表された作品がそれにあたるとされている。少女小説は主に中里恒子の代筆と言われている『乙女の港』,『花日記』と『コスモスの友』で、睡眠薬中毒時期の作品は主に沢野久雄、北条誠と三島由紀夫の代筆と言われている『古都』いった作品を指す。本発表では,計量文体分析のアプローチからこういった代筆問題を論じ、代筆問題を科学的に解明することを目指す。
*周 閲(国際日本文化研究センター外国人研究員 北京語言大学教授)
「「禽獣」の隠喩性と『荘子』」
川端文学は強い隠喩性を持ち、その「禽獣」は典型的な隠喩小説の一篇である。「禽獣」の中の鳥籠は重要な隠喩的イメージで、時代の束縛を意味づけている。主人公“彼”とタクシーの運転手との対話方式は人間同士の自由なコミュニケーションの困難さを隠喩している。「禽獣」を書く際の着想、構図と命名はすべて『荘子』と深く関わりがある。隠喩を堪能に使うのは『荘子』の突出した芸術的特色である。川端は『荘子』に詳しく、大学時代の卒業論文「日本小説史小論」では明確に“老荘”に触れており、卒業後に創作した「空に動く灯」「青い海黒い海」「明月」など多くの作品においても老荘と直接的に関わりのある内容が書かれている。戦前と戦中の作品で成している隠喩性は戦後の作品中にさらに強化され、「再会」「山の音」「舞姫」などの小説はその代表的な例である。「禽獣」からして、川端文学における隠喩性の重要な要素の一つは中国古典の『荘子』からの示唆である。
【会場】 鶴見大学(〒230-8501 横浜市鶴見区鶴見2-1-3)
JR京浜東北線 鶴見駅西口下車徒歩5分、京浜急行 京急鶴見駅下車徒歩7分
*1号館は、総持寺参道の左手です。参道正面より入っていただくとわかりやすいと思います。
【PDF版 例会案内】(プリントアウト等にご利用ください)
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