川端康成学会 第 176 回例会
日時 12 月22 日(土)14:00 より 場所 鶴見大学 1 号館 501 教室
*研究発表
「「雪国」における島村の自分探し ― 駒子とのかかわりをめぐって」 二松学舎大学大学院 博士後期課程 何 暁 芳
「川端康成と死について」 クラーク記念国際高等学校教諭 中嶋 一 裕
*閉会の辞 川端康成学会会長 片山 倫太郎
司会 山田 愛 美
*当日受付にて、参加費500 円を頂きます。ご了承ください。
*当日受付にて、年会費の納入をお受けします。併せて、維持会費もよろしくお願いいたします。
*例会終了後、懇親会を予定しております。奮ってご参加ください。
*当日、12 時より 1 号館 505 教室にて理事会を開催いたします。常任理事の皆様はお集まりください。
*今後の例会の開催予定日をお知らせいたします。第177 回例会は 4 月を予定しております。上記の日 程は変更になる場合もございますので、ご了承ください。 なお、例会での研究発表希望者を随時募集しております。ご希望の方は事務局長・堀内京 (kawabata.y.ac.1970@gmail.com)までご一報いただけましたら幸いです。
*会員の皆様には「年報」31 号(2016年)までのバックナンバーを送料込み1部500円で販売致しま す。最新号と前号は会員価格2,000円で販売致します。なお、在庫切れの号もありますので、詳細は 事務局長・堀内京(kawabata.y.ac.1970@gmail.com)まで、お問い合わせ下さい。
*例会についてのお問い合わせは下記にお願いいたします。
〒422-8529 静岡市駿河区大谷836 静岡大学人文社会科学部言語文化学科 田村充正研究室
電話:090-6180-3670 メール: kawabata.y.ac.1970@gmail.com
【発表要旨】
*何暁芳(二松学舎大学大学院 博士後期課程)
「 「雪国」における島村の自分探し ― 駒子とのかかわりをめぐって」 「雪国」において島村は「鏡」的な働きをしているとよく論じられてきたが、そのような「雪国」論では、島村が雪 国へ行くことで「真面目さ」を呼び戻す目的が見落とされていると考えられる。鏡の中の駒子と葉子が非現実的な美に 満ちているため、島村は鏡の中の駒子たちに憧れている。一方、実在する駒子は島村にとって、鏡のような存在である。 島村は自分と同じような一面を持つ駒子の姿を見つけるのである。苦しい生活にもかかわらず、駒子の真面目に生きよ うとする力強さに島村は感動を覚え、様々な思考や反省を行い、駒子及びその日常的な生活や雪国の自然風物に接近し ようとしていると考えているのである。
*中嶋一裕(クラーク記念国際高等学校教諭) 「川端康成と死について」 『末期の眼』と題された随筆において、川端は芥川が自殺前に綴った『或旧友へ送る手記』の中の言葉、「僕の 末期の目」という言葉に着目する。川端はこの随筆において、終始自殺に対する批判的な論を繰り広げる。しか し他方で、「あらゆる芸術家の極意は、この「末期の眼」であろう。」と述べるように、芸術家において死が不可 避なものであることをほのめかす。死という芸術家が直面する問題。芸術家が書くことに際して伴う死の体験、 川端における「末期の眼」、そしてそこから見える川端のエクリチュールを、ブランショ、ヴァレリー、ロラン・ バルトといった人物たちの記述に触れながら明らかにする。また、彼の記述行為における源泉が如何にして彼の 著作に流れついているのか、『眠れる美女』等の小説作品を取り上げることによって、明らかにしていきたい。
【会 場】鶴見大学1号館 501 教室(〒230-8501 横浜市鶴見区鶴見2-1-3) 【アクセス】JR京浜東北線 鶴見駅西口下車徒歩5分、京浜急行 京急鶴見駅下車徒歩7分 *1号館は、総持寺参道の左手です。参道正面より入っていただくとわかりやすいと思います。